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なかのインディーズ・ムービーコレクション Vol.1 世志男×中村公彦監督特集

昨日なんて日は、中野にあるなかの芸能小劇場にて開催された、
『なかのインディーズ・ムービーコレクション Vol.1 世志男×中村公彦監督特集』
へ行ってきた。


5年前にmixi上で知り合って以降、
飲みに行ったりしたりして交流のある、
俳優・サーモン鮭山氏こと中村公彦監督作品が
一挙に観られるという機会もあり、
これは行かねばと思っていたのである。


2名の監督による東京初上映作品やレア作品含めて
7作品の短編上映会である当イベント。
これで1000円は安すぎる!と思うくらい満足感ある作品ばかりだった。



以下、上映された順に作品の感想。


1.『RUNゾンビRUN』(2010年/12分)
監督:世志男


世志男と書いて「せしお」と読むらしい。
「よしお」としか読めん。

ブリーフ姿のゾンビが走って追いかけてくる設定と
呪いのビデオを無理矢理組み合わせるホラーコメディ。

強引な勢いとノリ重視で荒削りな学生映画のノリのようで
ぽかーんとしつつ、個人的にツカミはNGな感じだったので、
「この上映イベント大丈夫なんだろうか?」と不安になる。
12分なのであっという間に終了。

しかし、これ以降の作品はどれも見所ある内容だったのでホッとした。




2.『もうひとりのルームメイト』(2012年/30分)
監督:中村公彦


同棲するカップルの、小説家を目指す男にだけ見える少女との関係を描く、
ファンタジードラマ。

全体的に暗いムードが漂う中の、せつなさ全開のドラマかと思いきや
スリラー的な展開も見せたり、意外な事実も判明したりと面白い。
人物描写がしっかりしてるので30分という短編でも密度の濃い内容になっていた。

現代で、PCを使わずわざわざ原稿用紙使って小説を書く古臭い形式を取っている
男のこだわりに、小説家だった父親に対する固執したモラトリアムを感じる。

終始さびしそうな表情を見せる少女役の齋藤映海きゃわゆし!!
悲しいラストを迎える中、哀愁を帯びて去っていく後ろ姿にキュン死しそう。




3.『消えた灯』(2010年/30分)
監督:世志男


学生達にレイプされて廃人になってしまった恋人の復讐に燃える男のリベンジアクション。
廃人になって1人では何も出来ない彼女を男が介護するシーンが目を見張る。
特に一般映画において省かれそうな、排泄の描写を細かく見せるところに
リアリティが感じられ身につまされる。
(ベッドの上で全裸の恋人の糞便を映し出してるのが特に凄かった)

そうした目を背きたくなる生臭い描写があるからこそ、
2人の出会いからプロポーズまでの幸せな時期のシーンの瑞々しさが活きる。
(ベイブリッジの夜景をバックにプロポーズってのは型はまりなバブル臭がしたが)

集まった学生達に復讐するシーンも生臭くリアルな描写で緊迫感ある。
結末もこれ以上無いほど救いが無くてドスーンと打ちのめされた。

ふたつ前に観た同監督のゾンビ映画を完全に忘れるくらい面白かった。







4.『ゆっくりしてけよフェアリーテール(完全版)』(2010年/11分)
監督:中村公彦


夫婦喧嘩の代行をロボット同士が行うという漫画チックなコメディ。
作業用のツナギにマスクとゴーグルで顔を隠しヘルメットを被って、
『私はロボットです!』という強引さに打ちのめされる。

イケメンだった夫が今じゃ脱サラして太って
家に引きこもるデイトレーダーという設定も笑える。

引退した女優のしじみがロボットのフェアリーテール役を演じてて、
ロボット同士がしばき合うという意味では確かに
『リアル・スティール』な感じだった(笑)

でも、このフェアリーテールはなんで13年間も起動しなかったんだろうか。
13年間夫婦喧嘩してなかったって事?




5.『Mr.SCAPEGOAT』(2009年/24分)
監督:世志男


刑務所から出所したばかりの身代わり屋の男が、
偽装結婚して一度も会った事のない韓国人の妻の遺骨を引き取りに行き、
その思い出を巡る人間ドラマ。

寡黙な身代わり屋に同行する、妹想いのちゃらい鉄砲玉の男が人間臭くて良い。
暗殺されるやくざの組長役に、なぜかあのPANTAが出てて笑った。

ただ、クライマックスの韓国人の妻の想いを夫であった
身代わり屋が知って嗚咽を漏らすという感動的なシーンで、
女性歌手のバラード曲が流れるのは、型はまりっぽくて
安っぽさを感じずにいられなかった。
こういうベタに「さあ、お泣きなさい」みたいな演出されると、
感動する気持ちにブレーキがかかってしまって勿体無い。




6.『スルー・ロマンス』(2013年/46分)
監督:中村公彦


福岡での映画祭での上映以外では、
どうやらこの日が東京初上映だったらしい。

子役時代から名コンビの人気俳優だった男女が、
実は一度も実際に会った事がないという
非現実的荒唐無稽な設定が面白いSF青春プラトニック・ラブコメ。

男優は、(互いの事務所の社長同士が犬猿の仲の為)女優と共演する時は
小型の映写機で映して芸能活動をしているという設定。

それどんだけ凄え性能の映写機だよ!と突っ込みたくなるが、
脳内SF補完を活用して設定を受け入れると不思議と説得力を持ってくる。
ふたつ前のロボット映画もまた然り。

女優の初の座長公演の立ち上げから千秋楽までを描く話で、
2人の出会いやお互いの想い、悲しい現実、2人を取り巻く
劇団員たちを小気味よいタッチで描いていく。
最後は爽やかに終わり、青春ドラマとして面白かった。
全7作品の中で1番良かったな。

目の前にいるのに、触れる事が出来ず実感が出来ないもどかしさが
その想いを更に募らせるという気持ちはキュンキュンくる。
『もうひとりのルームメイト』とも共通する、
目の前にいる不確かな存在への強い想いの描写は印象深い。

だがやはりこの作品が凄いのは、
ありえない映写機の技術力と、
男優の身代わりを演じられるほど才能のある彼の兄貴の演技力を、
問答無用で見せられてしまった事かも。




7.『野良猫の恋』(2012年/25分)
監督:世志男


遂に最後の上映作品。
借金の取り立て屋の男と、取り立てた町工場の工場長の娘との
心の交流を描く恋愛ドラマ。

なんかこれに似たような設定の韓国映画を何年か前に観て
息ができないほど感動した記憶があるが、まあそれはいい。

主演の片桐えりりかのツンツンな女子高生役が大変良い。
それに、こうした短編でも、形の良いおっぱいや
肉感ある尻を見せてくれるサービス精神の良さ。
風俗で働いてるがキスはNGな純朴な一面も演じている。

ニコ生中継で知人のアパート内で花火を打ち上げて
書類送検されてるというお馬鹿な事実も踏まえて観ると尚更、良く見える。
今度、AV観てみよう。







全7作品の上映も終わり、出演者の舞台挨拶があり、
イベントは終了。
4時間にも及ぶ長丁場だったが、短編の連続上映だけに
そこまで長さを感じずに観られた。


世志男監督は、舞台挨拶で2歳の長男が乱入したりしてたが、
監督業で子供持つのは大変だろうなあと純粋に思ってしまった。
氏の初長編作『四畳半革命』観てみよう。


これまで実際に話をしたり交流してきた中で、
中村監督の作家性や監督としての技量は全く未知数だったが、
人間ドラマとして堅実に見せる描写の巧さに加え、
非現実的要素もブレンドして見せられるバランス感覚の良さ
を垣間見られた。
現役のアイドルを起用したドラマとか撮って欲しいなあ。



20131102210400q01.jpg
(左端が中村監督、右1列目端が世志男監督)

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