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2015年度劇場映画ベスト15本総括



お待たせしました。
いえ、お待たせしすぎたと言ってもいいかもしれません。

2015年公開作品で筆者が鑑賞した新作劇場映画は51本!
もちろん、1本の映画を繰り返し観た回数も加えた数である。

そんなこんなで、素晴らしかった映画ベスト15本を選んで総括。
前年度に続き、2015年度も15本選出!
ちうわけで、まずは11位から15位までランキング公開!


●●2015年度劇場映画ベスト15 総括●●
(1月1日~12月31日までの劇場公開作品対象)



第15位「私の少女」
ショートカットのドゥナッペやはり最強。
「アジョシ」の頃から成長したキム・セロンとイチャコラしてるシーンの数々は
ニンヤリ止まらずいつまでも観ていたい。

疑似親子視点としても百合視点としても楽しめて
キュンキュンくる人間ドラマでドゥナッペの新たな傑作!

村の皆が集まって飲んでカラオケをするシーンで、
かかった曲が一時期筆者がハマっていたパク・ヒョンビン王子の『シャバン☆シャバン』
出演の男優がベロベロに酔った状態で歌うんだが、
筆者は思わずスクリーンを見ながら口ずさんでいた!



第14位「GONINサーガ」


久々に邦画で様式美にこだわった骨太かつ破滅の美学。
『ワイルドバンチ』のようにすがすがしさすら感じる観賞後感の映画を観た感じ。
血糊の色が90年代的な生々しさでバイオレンス色を上げている。
デデデンデンデデンと、ついテーマ曲も口ずさみたくなる。
テリー伊藤は喋らず目がロンパったままだったらもっと迫力あったのにな~。


第13位「はじまりのうた」
大傑作「once ダブリンの街角で」のジョン・カーニー監督新作。
男女間を音楽という頑なな絆で結ぶ一期一会の瞬間を捉えた作風で、
サントラが欲しくなるのも「once」同様。
K・ナイトレイは前歯の形がかわいい。
出っ歯じゃなくて引っ込み歯なんだよな。
NYの街のあらゆるところでレコーディングをするという発想は
面白く、音楽の楽しさが表現されてたと思う。


第12位「バクマン。」
ジャンプ漫画の実写化として成功してたのでは?

特に良かったのは原作に無かったジャンプを読む様々な環境での
読者の視点を映してたところと、話題になってるエンドロール。
あれは、「少年ジャンプ」を題材に熱かった作品にしか
使えない最高のアイデアが爆発したエンドロール!

佐藤健が台詞ではなく表情で語っていたのも良し。
彼の血尿シーンは驚いた。10代の若者(という設定)で
便器の水を真っ赤に染めるまで血尿出すってどんだけ~。
大根仁監督の代表作がまたひとつ増えた模様。



第11位「ガールズ&パンツァー 劇場版」

表面的には美少女アニメだが本質的には
「昨日の敵は今日の盟友」という少年漫画イズムで貫かれた、
戦車の戦術が細かく実に良く出来ているスポ根作品だった!
表面上が美少女ものだからといって、
表層的にモノを判断すると損をする好例とも言える。

立川で観た極上爆音上映は、調整された戦車の駆動音の音響は凄かったし、
鑑賞後感の爽やかさで、良作を観た余韻に浸れる。
キャラクター同士の関係性を知っているとより楽しめるので、
鑑賞前にTVシリーズとOVAは必見。

この作品でその街並みがそのまま描かれた
茨城県大洗町はファンの聖地と化しているらしい。
ちなみに本作の事は、「おジャ魔女どれみ」ファンのこの方のブログで存在を知った。
あまりの文章の熱量の高さに圧倒される!


続いて、10位から1位まで順に発表!

第10位「ジェームズ・ブラウン 最高の魂を持つ男」


主演の人が、自然にジェームズ・ブラウンに見えてくるほど口調や仕草もそっくり、
股先開脚ダンスや高速ステップなど、
ステージパフォーマンスを熱く見せていて心拍数が上がるほど惹き込まれる!
現在も脈々と継がれているゴッドファーザーオブソウルのルーツに熱くなった!
ショットガンを事務所で発砲し警察に追いかけられるシーンも再現してて最高!
あまりに語られる逸話が多い人だけど、うまく編集して、
音楽映画としても人間ドラマとしても面白い作品に仕上がっていた。


第9位「恋人たち」



7年ぶりの橋口亮輔監督最新作。
結婚を約束していた彼女を通り魔に殺された男と、
肉屋の男に惚れた主婦、同性愛者の男性弁護士の3人の話を軸に、
時にシンクロしつつも、大きく関わる事無くそれぞれの物語が綴られる。
失った人との思い出に生き前へ進めない、
誰かと心を通わせたくても叶わない絶望と、
再生への光をやさしく繊細に映し出す、すんごい余韻と深みを残す傑作!

観終わってもしばらく登場人物たちの残像が思い浮かばれる。
珍しく前売り価格ではなく一般料金1,800円払ったけど全然損は無かった!


第8位「幕が上がる」



筆者もかつてはどのアーティストやバンドよりも没入していた、
ももいろクローバーZが主演の
高校の演劇部が舞台の青春ドラマ。

観る前までまるで予想だにしなかったが、
最近の邦画でありがちな、説明的過ぎる台詞も、
大げさなギミックも無駄な笑いも無い、
ストイックに純粋な青春映画だった!
それでいて良質なアイドル映画としても両立していて驚く。

とても「踊る大捜査線」の監督とは思えないくらいに、
青春ドラマの醍醐味をビシビシと感じられるほど真摯な作りで、
全編ウルウルきてた。
数年ぶりに、ももク口熱が映画観てる間、戻ってきた!


第7位「クリード チャンプを継ぐ男」



新章とは言ってるものの、
次世代への闘魂伝承というバトンタッチを見せる
『ロッキー』シリーズ最終作として観るとあまりに美しすぎる傑作!
ロッテントメイトで95%フレッシュは伊達じゃない完成度の高さだった。
後半へ進むにつれ、スタローンが見せる老人感もリアル。
どうやら、ここからクリードを主役として、
新章として続編が作られるということだけど、
正直、続編は作らないで欲しい。
「ロッキー」シリーズの締め方としてあの銅像をバックに
過去と未来のボクサーが並ぶ、ラストシーンの美しさ、
あんなキレイな終わり方ないのに続編は蛇足になりかねない。


第6位「101回目のベッド・イン モアベター版」



「バブルの時代をもう一度復活させる」と一念勃起して結成された
“今、抱ける”セクシーアイドルユニット「ベッド・イン」の第1回主演映画。

東映のプログラム・ピクチャー感満載の、
実際の本人達のキャラ勃ち過ぎのエゲツないノリを
そのまんま映像化しちゃったメタフィクション映画でもあり、
鑑賞後の不思議な多幸感たまんねえ!
「タイムアバンチュール絶頂5秒前」のオマージュも効いてて、タイトルの出し方が絶妙!

10分長いモアベター版は、ガールズ映画監督ユニット、
破れタイツのカットも多く、最大瞬間風速のような激しさの
ベッド・インとの対比で丁度いい感じの温度で
入浴してるようなゆるゆる度合いが心地良し。

土曜の深夜2~3時くらいに赤ワイン飲みながら寝落ちと闘いつつ
心地良い雰囲気の中、見られたら最高。

エンドロールでは、ベッド・インと破れタイツの2人が倍速になって激走する、
まさしく現在、最新作が公開されている「あぶ刑事」をモチーフにしていて最高!

2/27~3/4からポレポレ東中野で単独上映決定!
当然、筆者もイク~!


第5位「キングスマン」



近年「キック・アス」、「X-MEN ファースト・ジェネレーション」と、
傑作を立て続けに撮り続けているマシュー・ヴォーン監督の最新作。
今回はまたもコミックを原作とした、スパイものである。

またしても胸の透くような傑作!
一貫としたポリシーを貫く青年の新米成長物語という側面で観ても面白いし、
「キック・アス」が親父から娘への継承の物語だとしたら、
「キングスマン」は師匠(父親的な存在でもある)から弟子への継承の物語。

教会での目まぐるしいテンポの気ちがい共の壮絶な暴動格闘シーンは
思わず爆笑必至で、1シーンのテンションの高さで言えば、
完全に「キック・アス」を超えている!スゲぇ!

ステッキや傘など、スパイものならではの
特殊武器の数々もイケててかっこいい!

また、クライマックスに打ち上がる連続花火には、
「キック・アス」のクライマックスのエルヴィスの曲が
かかるシーンと同じくらい痛快さと高揚感、
そして声を上げたくなっちゃったほどの大爆笑!
詳細は映画を観よ!


第4位「ストレイト・アウタ・コンプトン」


Dr.ドレーやアイス・キューブなどが在籍していた伝説のラップグループ、
N.W.A.(Niggaz Wit Attitude、直訳すると「主張する黒人たち」)の
誕生からその興隆、メンバーそれぞれの別離までを
事実に基づいて描く青春ドラマであり、
ギャングスタラップというジャンルの創始を描く音楽映画の傑作!

お恥ずかしい事に本作を観るまでこのN.W.A.というグループを知らなかったのだが、
主要メンバー全員参加のファーストアルバム「Straight Outta Compton」を聴いて驚愕!
その名曲の数々から、その後の音楽シーンのメインストリームとなる
プロディジーやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンなどの
バンドへ与えた影響をひしひしと実感する、
たたみ掛けるラップの猛襲とビートのアタック感とメロディのキャッチーさ、
歌詞のメッセージ性の強度など、
(黒人が不当に差別され、いわれのない暴力を白人警官から受けていた事から
生まれた反逆の一撃である「FUCK THA POLICE」など)
アイス・キューブを除くメンバーの出身であったコンプトンという、
ストリートギャングがはびこる街の現実も映し出した歴史的名盤!

ドラッグ・ディーラーだったイージーEが出資するだけだったのに、
なぜか初めてレコーディング部屋でラップを歌わされるシーンとか、
売れっ子となったグループが打ち上げで乱交パーティーや、
プールで濡れ濡れパーティーなどハメを外しまくる様子も微笑ましい。

そうしたグループの活動を追っただけでなく、Dr.ドレー、アイス・キューブ、
イージーEの3人を主軸とした愛憎入り乱れた友情ものとしても胸に打たれた。
150分ある内容だが、まるで長さを感じず飽きさせない脚本の構成も見事。

アイス・キューブ役に自身の息子(オシェイ・ジャクソンjr)が出演というのも
物語により没入感を与えている。

エンドロールで実際のグループ本人の映像が映し出される中で爆音で流れる
ファーストアルバムの1曲目「Straight Outta Compton」のカッコ良さに
鳥肌が止まらなかった。

おれたちのヴァルハラこと、立川シネマシティでは爆音上映も実施。
更に作品の感動を増幅させる素晴らしい鑑賞環境だった。


第3位「戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪」


POV形式のホラー作品で数々の傑作を作り続けている白石晃士監督が放つ、
ホラーシリーズ『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』。
FILE01~04、劇場版序章、史上最恐の劇場版、最終章を経ての、
この新シリーズ「超コワすぎ!」の第2弾をまさかの第3位に選出。

前シリーズでは、最初は素人投稿ビデオの超常現象を、
工藤ディレクターとアシスタント市川、カメラマン田代が
検証していくところから始まり、やがてその超常現象は連鎖、増幅し、
人智を越えた、概念のレベルにまで到達するという、
低予算で作られている作品とは思えないスケールのデカさに観る者を
圧倒・爆笑の渦に巻き込み、工藤ディレクターの
「運命に逆らえってな!」という名台詞と共に、
ネットを中心に大いに話題になった作品でもあった。

仕切り直しとして新たに始まった本シリーズ「超コワすぎ!」の第2弾。
本作では、童貞ニート中年無職男が当てもなく撮影しながら山を散歩していたら
若い少女と出会い、驚くべき超常現象を目の当たりにし、
冒頭から40分以上の長さを持っての投稿映像の出だしだが、
本作の主題は、ワケあり少女に対するこの童貞ニート中年の、
あまりに無垢な純愛にスポットが当てられている。

工藤ディレクターが童貞中年に「あの女、モノにしたいんだろ?!」と
檄を飛ばすところでもグッと来ていたのだが、
クライマックス、ワケあり少女からの人智を越えたレベルの要求に対して、
童貞中年の全霊を込めた、覚悟の告白とその決断に、ダム決壊落涙。

まさか、このシリーズで怖がらされるどころか爆笑する事はあっても、
画面が曇って見えなくなるほど泣く事になるとは…。
自分の身と照らし合わせて、この童貞中年に
思い切り感情移入し没入してしまったという事もあり、
本作は異様なほど高い順位に選出した。

この童貞中年を演じるのは「サイタマノラッパー」シリーズに主演していた水澤紳吾。
こうした底辺の身分の役をやらせると、ピカイチのハマリ具合。
さすが。

2016年に公開されるであろう、FILE-03以降の新作も大きく期待!


第2位「君が生きた証」



校内乱射事件で死んだ息子が作っていた数々の歌を
唄う事で息子を理解しようとする親父の物語というだけでグッと来たが、
中盤で明らかになるある事実を知った後、
息子の遺した歌がまったく違った印象を受け、
複雑な困惑と高揚感に打ち震えるラストでスクリーンが見えなくなりそうなほど崩涙。
観賞後の、打ちのめされる衝撃と余韻があまりに強すぎて
思い出すだけで泣きそうになる。

公開から1年経ちDVDが発売された今でも、いまだに余韻が残る。

本作で出演もしているヒゲのおっさんで俳優のウィリアム・H・メイシーが監督というのも驚き。
音楽映画としても、親子の人間ドラマとしても見事なバランスで両立された出来で、
観たらサントラが絶対欲しくなる!

「はじまりのうた」も良かったが、鳴らされる音楽の意味も重みも、
音を奏でる人の覚悟と決意もまるで違うのであまりにも軽く見えてしまう。

息子を想う親父の話であると同時に、
若いバンドマンの青春物語でもあるのも自分の好みに合っていて
音楽映画としては、文句無しに2015年ベスト映画と言える。


第1位「マッドマックス 怒りのデス・ロード」



ふ~。
どんなにアマノジャクな自分でも、
もう2015年最高の1本は
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
しか考えられません!

自分はメル・ギブソン主演の過去の「マッドマックス」シリーズに関しては、
「メル・ギブソンがドッグフードの缶詰を美味そうに食っていた映画」という
思い入れのない認識のまま観て、結果この熱狂ぶりである。

ていうか、この10~20年くらい過去を振り返ってもベスト1映画としか言えない。
本作は、衝撃と興奮と感動と初期衝動とインスピレーションを与えてくれた、
純粋に120分映画を楽しむという体験を教えてくれた。

今後、数十年、数々の娯楽アクション映画のロールモデルとなるであろう、
その最良の見本型を提示した本作。

初日に観て、5日後に2回目を観た後の興奮と熱狂ぶりは、
既にブログに綴っているので参考まで。
9/10に立川で極爆上映で「キングスマン」とハシゴした時のブログはこちら。

上映開始の6月20日から毎週のように映画館に通い、
金を払って11回鑑賞したのは生涯でも初めての経験。

1回目 IMAX 3D字幕
2回目 4DX字幕
3回目 4DX字幕
4回目 2D字幕
5回目 3D吹替
6回目 2D字幕 立川極上爆音上映
7回目 2D字幕 立川極上爆音上映
8回目 2D字幕 立川極上爆音上映
9回目 2D字幕 立川極上爆音上映
10回目 2D字幕 立川極上爆音上映
11回目 4DX字幕


色々なバージョンを観たけど、2回目の、
全身で感じる4DX版が、
生まれてきて良かった、映画を好きで良かったと思わせるほどの、
生涯ベストに入る至福の体験だった。


終映後、本編で感動させるシーンなど無いのにも関わらず、
場内が明るくなっても感動が収まらず、
衝動の赴くままに涙が止まらなかった。

本作を娯楽映画の価値基準にすると、今後ほとんどの映画が退屈に見えてしまう危険がある。

これまでハリウッド映画の生涯ベスト1は、
ロバート・デ・ニーロ主演のアクションロードムービー『ミッドナイト・ラン』(1988年公開)だったけど
遂に27年経って更新した!

この映画の素晴らしさ、美しさ、熱狂をうまく言語化するのはホントに難しいし、
言葉で語れば語るほど野暮になる。

そして、この作品の世界的な影響力はやはり凄まじく、
アート系の映画賞も軒並み受賞し、
遂に第88回アカデミー賞?において作品賞、監督賞(ジョージ・ミラー)含む
10部門にノミネートするという、
ブロックバスター級の予算のアクション作品では異例の事態となっている。

この作品が起こしている波を体験するには、
自宅のちっこいテレビでBlu-rayやDVDを観るのでは、絶対に役不足。

「かければお客が呼べるコンテンツ」として、
ジブリ作品級にロングランで全国で公開されている映画館で、
スクリーンだけに集中してその五感で体感しろ!!

なぜこんなに熱狂され、心を突き動かされるのか、
スクリーンで観なければわからない。
そして、一緒に叫ぼうぜ!
V8!



第1位 マッドマックス 怒りのデス・ロード
第2位 君が生きた証
第3位 戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ!FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪
第4位 ストレイト・アウタ・コンプトン
第5位 キングスマン
第6位 101回目のベッド・イン モアベター版
第7位 クリード チャンプを継ぐ男
第8位 幕が上がる
第9位 恋人たち
第10位 ジェームズ・ブラウン 最高の魂を持つ男

第11位 「ガールズ&パンツァー 劇場版」
第12位 「バクマン。」
第13位 「はじまりのうた」
第14位 「GONINサーガ」
第15位 「私の少女」




以上、2015年の映画総括でした。
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2015年度ベストアルバム10枚総括



2015年、繰り返し聴いたアルバム10枚を総括。
2015年1月1日~12月31日の間に発売された、
ベスト盤や再発盤を除くオリジナルアルバムを10枚選定。
(サントラやコンピレーションアルバムも選定範囲内)
名盤だらけ!


■2015年ベスト・アルバム10枚(順不同)■




『Brand-new idol SHiT』/BiSH

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お騒がせアイドルグループ、BiSの解散よりわずか数ヶ月、
プロデューサーの渡辺氏による
「BiSをもう一度始める」という意向のもと結成された
アイドルグループ、BiSH。

完全に二番煎じのような立ち位置のなかスタートして、
ほどなくして発売されたこのデビューアルバム、
果たしてBiSを継承するようなエモーショナルなメロディが鳴り響く、
勢いのあるアルバムとなっていた。

冒頭の「スパーク」は、eastern youthの「夜明けの歌」の
オマージュ(多分)でありながら、“痛みを痛みでこらえよう”という
フレーズの切なさが沁みる名曲。

2曲目の「BiSH -星が瞬く夜に-」は
1回のライヴで、5~6回繰り返し歌うほどのプッシュ具合が面白い。

BiSの時も思ったけど、こんなカッコ良いロックな音出してるんだから、
絶対生バンドでやった方がもっとライヴはカッコ良くなると思うんだけどな~。


BiSH/スパーク(Live)




『Birth of a Kiss』/サニーデイ・サービス

sunnydayserviceshibuya


2015年3月27日に行われた、15年ぶりとなる渋谷公会堂でのワンマンコンサートを収めたライブ盤。
サニーデイのキャリアとしても、これまでEPとして
数曲収録のライブ盤はあったが、フルアルバムでのライブ盤は初。

過去のアルバム総括でライブアルバムを取り上げる事はきわめて珍しいが、
筆者としては、15年来の悲願であったサニーデイの初ライブ鑑賞という、
メモリアル盤的な位置づけであるので、選出。

この日のコンサートは全編、座席に座っての鑑賞だったが、全27曲、
そのメロウロックに骨抜きにされる多幸感で胸いっぱいだった。

本盤は全27曲からよりすぐった12曲を1枚のCDにまとめたもの。
ライブアルバムとして60分ちょっとと聴きやすい作りになっている。
完全収録は限定BOXのDVDのみ。


サニーデイ・サービス/ふたつのハート(Official Music Video)





『君が生きた証 オリジナル・サウンドトラック』/V.A.


★A14S


『ファーゴ』『マグノリア』などで知られるベテラン俳優ウィリアム・H・メイシーが
初めてメガフォンを撮った映画『君が生きた証』。
銃乱射事件で一人息子のジョシュを失った父親が、
息子が書き遺したオリジナル曲を演奏することで
その内面を知ろうとする物語。

キービジュアルからして、ピンとくるものがあったのだが、
実際に映画館で観て驚愕そしてラストで嗚咽。
音楽映画としても人間ドラマとしても実に良くできていて、
観終わった後もジュワ~っと深い余韻に包まれる大傑作。
2015年は、あの映画さえ無ければ、
確実にこの作品を年間ベスト1映画に選出していた。

そんな劇中で実際のキャストによって歌われる楽曲が
収録されたサウンドトラック、
アコースティックの弾き語りを主に、バンドサウンドも収録し、
劇中の雰囲気を脳裏にフラッシュバックさせるのに最も適した内容。

そしてラストに歌われる「Sing Along」の美しさに毎回鳥肌が立つ。

サントラの前に是非ともレンタルや配信などで「君が生きた証」本編を観て頂きたい。


Billy Crudup/Sing Along 「Rudderless」 Music Video





『PL4E』/Faint★Star


★pl4e


アメリカ、台湾、インドネシアと海外でもリリースを展開する、
女性アイドルデュオのデビューアルバム。
シュワッと爽やかで気持ち良いメロディが泣けてくる!!

元メンバーのHINAがいるし、かつて当ブログにて、
2013年ベストアルバムの1枚に選出したTomato'n Pineの
遺伝子を継ぐような今後期待のポップユニットである。

「Boyfriend -A.S.A.P-」の清々しすぎるメロディに思わずウルッとくる。
アイドルポップスは良い曲を出し続けても、
必ずしも売れるとは限らないが、地道に着実に活動していって貰いたい。


Faint?Star/「- Boyfriend -A.S.A.P-」[Official Video]





『who is call me?』/callme


★who-is-callme


仙台の5人組アイドルグループ、Dorothy Little Happyから、
2015年7月の中野サンプラザ公演を最後に、RUUNA、KOUMI、MIMORIの3人が脱退。
その公演の終盤のMCでの、辞めるメンバーと残るメンバーの言い争いは、
それまでの2時間強のパフォーマンスをすべて無にする、
お金を払って見に来たお客を無視したプロ失格と言ってもいいコンサートとして、
悪い意味で伝説を残したものであった。

そんな遺恨残しまくりの卒業劇を経て、
再スタートとなった3人のグループがcallmeである。
卒業コンサートからわずか3ヶ月あまりで発売されたのが本デビューアルバム。

その内容に驚愕。
ドロシーの頃より大人びたポップな音楽性、
アルバムトータルとしての完成度の高さ。
文句無しの出来!
驚くべきは作詞も作曲もすべてメンバーが携わっているところ。
作曲担当のMIMORIの楽曲センスの良さに才能を感じる。

昨年のドロシーの大傑作アルバム「STARTING OVER」の時のように、
一時期はアホみたいに繰り返し聴き返していた。
本当に恐るべき才能と努力と研鑽と塊が込められた渾身のアルバムだと思う。

上述したが、良曲を出したらからと言って、
必ずしも売れるとは限らないのがアイドルポップスの
難しく、歯がゆいところでもある。

昨年末に見た川崎クラブチッタは満員とはいかない、
半分くらいの入りに反比例するかのように、
高いダンススキルによるパフォーマンスを見せつけた完成度の高いライヴであった。

そんなわけで筆者は今後も全力で応援していく次第である。


callme/「step by step」




『PROPOSE』/清竜人25




最近「行列のできる法律相談所」にも出演し、
民放にも徐々に出演しつつある、
旦那ひとり、嫁6人による、7人組の一夫多妻制アイドルグループ、清竜人25。
2014年11月に早稲田大学の学祭で、岡村靖幸と2マンライヴを観たのが初で、
清竜人25のステージは、お目当てであったはずの岡村靖幸が完全に
インパクトとして薄れてしまった程の
しびれるファンクネス&ダンサブルの衝撃と
ポップでミュージカルチックな多幸感を筆者に叩き付けたのであった。
(今もって、この2組をブッキングした主催者のセンスの良さには恐れ入る)

一夫多妻という完成された世界観を元に構築された楽曲のシングルを
立て続けに3枚リリース後、満を持して登場したデビューアルバム。

テンション落とさず55分突っ走る、期待通りの名盤!
アルバム曲7曲、シングル曲6曲というバランスも良い!
アルバム曲は既にライブで披露済みの曲のほか、
新曲もグループの世界観を軽快なキャッチーソングばかりで非の打ち所無し。

飽き性で有名な清竜人なだけに、アルバム一枚だして解散か、
と思われたが、今年3月にシングル、4月に初の中野サンプラザ公演も決まって、
まだまだ続ける気はあるらしい。

今のアイドルポップス界に風穴を空けるような楽曲を
ドンドン生み出していって貰いたい。


清竜人25/「Mr.PLAY BOY」




『Rice & Snow』/Negicco


★ricesnow


ご存じ、新潟ご当地の10年選手アイドルこと
Negiccoの、待望のセカンドアルバムが2015年年明けに早々と登場。
もう聴いている間中、ずっと楽しい、むちゃんこ楽しい!
音楽性の幅がグンと広がった、ポップ音楽好きにもリーチする、
完全無欠のアイドルポップス盤!!

1曲目からライヴでも既に大盛り上がりのド定番曲となっている、
殺人的にキャッチーな「トリプル! WONDERLAND」で幕開けし、
Negicco初のトップテン入りとなるオリコンウィークリーチャート5位を獲得した
「光のシュプール」を沸点とし、ファンへの感謝を連ねる
「ありがとうのプレゼント」で締める、
オリジナルアルバムとして隙の無い非常に完成度の高い出来。

冒頭に2連発シングルを叩き付けてから、
中盤のオリジナルアルバム曲の並び構成が絶妙、そして充実している。
最近では生バンドでのライヴが多いので、そうした楽曲の良さが
更に肉付けされていて、ライヴにも深見と厚みが増していっている。

楽曲提供陣も、矢野博康、西寺郷太、田島貴男などなど、
大人たちをドンドンと巻き込んでその心を掴んで離さず輪を
大きくしていっているのもNegiccoの魅力の1つである。

こういうアルバムを本当の意味で「アイドルの枠には収まらない」と言うべきなのだろう。
そろそろ一般の評価も高まってきてもおかしくない。


Negicco/「トリプル!WONDERLAND」




『ボトムオブザワールド』/eastern youth

★bottomey


23年間にわたってeastern youthのベーシストを務めてきた
二宮友和氏が脱退というニュースと共に発売された本作。

しかしその内容はここ近年の同バンドのアルバムでも、
バンドとしての確固としたグルーヴ感や、
外に放たれる楽曲の力強さが特に現れている作品であった。
確かに、脱退する二宮氏がこの作品をもって
「できることは全てやりきった」と言わせるだけの名盤!

これまでアルバム発表後、レコ発ツアー以降、
その後のライヴで演奏する曲はだいたい決まった1,2曲だったが、
このアルバムからは今後は少なくとも5曲はライヴで披露されると、
お客が大いに盛り上がる曲が収録されている。
これはかなり異様な事態である。

しかも、新加入のベーシスト、村岡ゆかが二宮氏の音を継ぎ、
更に新たな魅力を引き出している事により、
このアルバムの曲もまた豊かな表現でライヴで再現されている!

収録曲の「街の底」「ナニクソ節」「テレビ塔」
「道をつなぐ」「直に掴み取れ」(向井秀徳も参加!)などは、
アルバムの中でも特にテンションが高まる曲。

特にアルバムのハイライトとも言える「テレビ塔」は、
めくるめく四季を描く、エモーショナルな大名曲であり、
急逝したBloodthirsty butchersの吉村秀樹に捧げた曲でもある。

新メンバーも加入し、しばらくアルバムは作られなさそうな感じだが、
このアルバムがあれば1、2年は大丈夫。


eastern youth/「街の底」ミュージックビデオ





『3776を聴かない理由があるとすれば』/3776


★3776_320


今年15歳の井出ちよののソロプロジェクトの富士山ご当地アイドル、
3776(みななろ)のデビューアルバム「3776を聴かない理由があるとすれば」。

これは、このどこかとぼけたジャケットからは想像も付かないほど、
ここ十数年のアイドルポップス界史上でも類を見ない、
本当の意味で「衝撃」という言葉がふさわしい、
とてつもないコンセプト・アルバムである。

おそらく2015年で最大の衝撃とも断言出来る。

それは世界でも類を見ない、珍妙かつ他に代わりの見つからない、
まさしく本当の意味で「オルタナティヴ」という言葉がふさわしい大名盤!
アイドルポップスは間違い無く世界的に見ても、
縛りや制約の無い、一番音楽的に自由なジャンルだと思い知らされる。
(特にインディーズ・レーベルなら尚のこと)

富士山ご当地アイドルにちなんで、富士山を1合目から頂上まで
登頂するというコンセプト・アルバムであり、
富士山の標高3776mに合わせて、
アルバムトータル3776秒という徹底ぶり。

しかも肝心の音楽性に関しては、驚くべき事に、
ニューウェイブやポストパンク、プログレなどの
尖ったジャンルを根底にしたド変化球の音楽性を巧みに再現しながら、
井出ちよののイノセントでポップな存在感とボーカルで、
一般人にも手に取りやすい、恐るべき純度の高い
アイドルポップスへと昇華した、驚愕の作品に仕上がっている。

井出ちよのも、プロデューサーの石田彰も、
とにかくド変化球を求める方向性のようで、
普通じゃつまらない、常にこちらの想像の斜め上を狙っての
活動を続けているというのもまたグッとくる。

アイドルのコンセプトアルバムは数あれど、
最初から最後までしっかり作り込まれたアルバムといえば、
筆者が思いつくのはピンク・レディーの、世界一周をコンセプトにして、
各国の音楽性を取り上げたアルバム「ピンク・レディーの不思議な旅」以来。

曲間がすべて繋がっているという、
アイドルのアルバムでも相当異例な作りで、
聴く際は途中で止める事が許されない。
つまみ聴き不可!
アイドルコンピに入れたくても入れられない!
最初から最後まで3776秒一気聴きを求められる、奇跡の一枚である。


3776(みななろ) / 「登らない理由があるとすれば」





「マッドマックス 怒りのデス・ロード」オリジナル・サウンドトラック/Tom Holkenborg (Junkie XL)


★fury_road

この映画自体についての感想は、
この後の2015年映画総括ベスト10に回すとして、
まずはこの映画史に永遠に残るクラシック作品の、
サウンドトラック盤である。

サウンドトラックとは、聴いている間、
映像を観ずとも、脳内でスクリーンで映った映画の数々の
名シーンが再現出来るかにかかっている。

そうした意味では、記憶の反芻という意味で、
去年の夏、このサントラほど役に立ったものはない。

場面場面で、暴れ狂うほどの衝動に襲われたり、
センチメンタルな気分で落涙寸前になったり、
勇壮な音楽に心躍らされたり、様々な感情を想起させる2015年という年を
力強く刻印した一枚。
『君が生きた証』も同様に、このサントラは一生聴き続ける事になるだろう。

ちなみに、iTunesダウンロード版はCDと比べ、
9曲も多い上に、各曲もエクステンデッドバージョンとなり、
2時間近い内容になっているので、
このCD盤、または同内容のLP盤も買いつつ、
ダウンロード版も合わせて揃えるのが、真のウォー・ボーイズと言える。
V8!


Mad Max: Fury Road Official Soundtrack (20. CHAPTER DOOF)




以上、2015年ベストアルバム10枚総括でした。


『Brand-new idol SHiT』/BiSH
『Birth of a Kiss』/サニーデイ・サービス
『君が生きた証 オリジナル・サウンドトラック』/V.A.
『PL4E』/Faint★Star
『who is call me?』/callme
『PROPOSE』/清竜人25
『Rice & Snow』/Negicco
『ボトムオブザワールド』/eastern youth
『3776を聴かない理由があるとすれば』/3776
『マッドマックス 怒りのデス・ロード オリジナル・サウンドトラック』/Tom Holkenborg (Junkie XL)






■その他、よく聴いた良質アルバム5枚■

『Every Open Eye』/CHVRCHES
『Chasing Yesterday』/Noel Gallagher's High Flying Birds
『サードアルバム (仮)』/アップアップガールズ(仮)
『おやすみホログラム』/おやすみホログラム
『だが、ビューティフル。』/例のK
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